一年間、続けてきた持続可能性のトレーニング・コースを修了し、先日、ジュネーブで卒業式がありました。晴れてイギリスの大学院修士号が授与され、これで立派な一人前?!
この一年間、政府(国際政府、国の中央政府、地方政府)、企業、NGOの活動に実際に参加する事で、それぞれのセクターが環境/社会に配慮したどんな取り組みを始めているのか、もっと取り組みを進める為に何が障害になっているのか、誰がリーダーシップを発揮しているのか、効果的な伝え方や変革のための効果的なツールはどんなものか、というようなことを学んできました。話し合いが行なわれるだけで組織改革が遅々として進まない断片化された政府組織。短期的な利潤追求のみを価値に拡大生産を続けるグローバル企業。物欲にまみれて幸せへの平衡感覚を失った目の濁った消費者とそのライフスタイル。そしてそれらの弊害が、気候変動という誰の目にもはっきりと見える人類への脅威として表面化してきている、警鐘の鳴る時代。私という小さな窓からの認識だけれど、世界の現状や社会システムが前よりはっきり分かってきて、分かれば分かる程、恐れ競い合う人間の負の側面を嘆きたくなったり、自分の力の小ささに悔しくなったりするのも確かでした。
でも、将来のビジョンをしっかりと持って、新しい社会のルールを体制の内外から作り直そうとしている人達にたくさん出会って勇気をもらいました。世界中で始まっている目を見張るような取り組みにいくつも遭遇してきたし、クリエイティブに何かを始めている人達の仲間の輪が着実に広がってきたし、サステイナブルなライフスタイルや企業活動が大きなムーブメントになって来ていることも確信しました。何より、自分自身に、次の時代を築いていく為に必要なスキルとネットワークと自信が備わりました。批判的になったり、絶望的になったり、刹那的に生きるのではなく、常に自覚的に地球市民の感覚を持って、自分の役割を全うしていく信念が生まれました。自分がこれからどんな方向性で社会と関わっていきたいか、自分の性格や専門性を活かしてどんなことが出来るのかが見えてきた気がします。(それが何かはまた、今度書くことにします!)
いやぁー本当に一年間、いろいろなことを吸収した。32歳にして、大学院修士2つもとっちゃって、奨学金をもらっての優雅な学生生活はひとまず終了。でもアクションしつつも、一生勉強は続けていくぞ!好奇心がなくなったら、人間、枯れてしまいますもんね。この恵まれた境遇に感謝しつつ、人と人、人と自然の関係が豊かになる活動を、微力ながらこれから本格的に始めます。ここまで支えてきてくれた家族、友人のみんな、本当にどうもありがとう。でも旅はこれから!明るい未来のためには、一人一人の想像力とアクションが不可欠。だから皆さん、巻き込まれたり、励まし合ったり、刺激し合ったりしながら、これからもどうぞよろしくお願いします!
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