「どんな気分で、いたい?」人生設計を、この問いから始めてみよう

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私は去年からコーチングの仕事も、しています。「お悩み相談」+「未来設計相談」みたいな感じでもあって、様々な人生の障害を越えて、どうやって自分らしく生きていくかの行程表をクライアントさんとともに編み出し、どんな風にそこに到達できるか方法を考えて実践していくお手伝い、という内容です。人様の人生に真正面から関わらせていただくとても充実した仕事で、最近は、「志事」という表記が気に入っています。

コーチングでよく遭遇するのは、どうやって生きていくか「分からない、もやもやしている」という方、あるいは分かっていたとしても「本当にそれが自分の内側からのことか(それとも社会や家庭など外側の世界が求めていることか)が怪しい」という方が多いことです(だから頼りにしてきて下さっているんでしょうが)。「自分の魂が求める生き方!」なんて一生分からないかもしれないし、分かったところで100%それを実行することは叶わないかもしれない。「これを達成しなくちゃ」「誰かに証明しなくちゃ、追いつかなくちゃ」と、脇目もふらず躍起になっている人もいるかもしれない。

でもちょっと待って。せっかくの一度きりの人生。限られた時間。やっぱり自分らしく、自分を生きたいと思うのは、当然のこと。人生にとって、一番大事なことってなんだろう。それは「幸せになること」とダライ・ラマは言っている。じゃぁ、「幸せ」って何?ってことになるんだけれど、それを探るために、次のエピソードを読んでみて下さい。アメリカ人の作家であり社会起業家、女性にコアなファンも多いダニエル・ラポートのお話です。


ある年末の晩。私は、パートナーとのんびり自宅で過ごしていた。来年の抱負や計画を書き出そう!ということになり、楽しいビジョニングのワークが始まる。「自転車で通勤を始める、ガーデニングを始める、新しい食卓を購入、気に入ったアート作品に投資、5キロ痩せる、ベビーヨガクラスを始める、ハワイへ家族旅行へ行く、本を出版する」などなど、、、
全ては楽しそうでウキウキさせてくれるものだし、やる気はあるんだけど、なんだか心が満たされる感じがしない。「やることリスト」が増えるだけの気がしで、なぜかエネルギーが湧き上がらない。
そこで私は、別の色のペンを取り出し、「何をしたいか」から、「どんな気分でいたいか」「どんな風に感じたいか」と質問を変えてみた。「自由、セクシー、愛されている、つながっている、大地との一体感がある、自信がある、冒険してるようなワクワク感、クリエイティブ、勇気がある」
すると全てがシフトした。もっと内側からのエネルギーを感じる瞬間だった。リストも豹変した。「月一回友達とディナーパーティーをする、手作りパスタを作る、タントラCDをダウンロードする、2週間のカヌー旅行、自費出版する」書き出された言葉も、より素敵だったし、心理的にも惹かれ、心動かされる感じがした。

それが、ダニエルの"How do I want to feel?"「どんな気分でいたいか」を軸としたライフデザインの始まりでした。特にその中でも「4つの叶えたいコアの感情」(Core Desired Feeling)をポストイットに貼り付けて眺め、ついにはDesire Mapというプロセスの手法を確立するようにまでなったのだけど、ようは、こういうことなのです。

「やることリスト」とか「バケツリスト(一生のうちに達成したい100のこと)」とか「一年の計画」ってあるけれど、それはどんなことを達成したいか、経験したいか、どんな風に見られたいか、ということにつながっている。これをもっと掘り下げると、究極的には「どんな気分で、いたいの?」ということ。だったらまずは純粋に「気持ち」によりそうところから始めるために、プロセスを完全にひっくり返して、もっと内側に引き寄せ、単純に「どんな気持ちになりたいの?気分でいたいの?」ってとこを人生のプランニングの出発点にしよう、という簡単な話!計画に限らず、、、

朝おきたら時、どんな風に感じたい?
一日のスケジュールを見た時には?
オフィスや教室に入った時には?
コンピュータを開いた時には?
スマホを見る時には?
恋に落ちる時には?
歯を磨く時には?
夜、寝る時には?

全ての時において、どんな気持ちでいたい?ということをまずクリアにしていこう、すると自分が描いている幸せに近づくよ、とダニエルは呼びかけています。

 

「4つの感情」を気にして過ごしてみた:私の場合

手始めに、私の場合:「平和なプラクティスを実践し、伝えていくことを仕事にもしたい」と言う今、やっていること、やりたいことには、確かに「今ここにあること」とか「貢献」とか「やりがい」とか「成長」といった大切なもの(NVCで言うところの「ニーズ」)が内包されている。それがかなっていて、充実感を感じたり、感謝の念を感じて、とても幸せな気持ちで(ほとんどの時は)過ごしています。「今どんな気持ちなんだろう?」と、自分の気持ちを見つめ、それに正直に生きるようにもしています。でも生活の隅々まで、「どんな気持ちで、いたいか」と意図的に考えるアプローチをしたことはなかったので、「こう感じていたい、と思う4つの感情」を書き出してみました。私の場合、(今のところ)この4つ。( これは「欲している、これがあると豊かだな、人生が素敵だなと思える(感情)」」という意味では、NVCの「ニーズ」に近いのかな。)


本物さと一貫性 (authentic and integrated) :  常に本物であること。嘘をついていなくて、偽善ではない。真心から発する。生活の隅々にまで、起きてから寝るまで、一貫性を持つ。人様に伝えていることを、実践する。

自信 (confident) :自分がしていることに自信を持って臨む。完璧じゃなくてもいい。完璧な人なんていない。自分の言動がゆるぎないように(そのための努力も惜しまない。)
献身 (devoted):全ての行動が、人様のため、社会のため、世界のため、そして自分のためでもあるように。行動を祈りのように捉えて行なう。
落ち着き (calm /equanimice) :何事にも動じず。必要以上に喜んだり、落ち込んだりしない。「今ここにあること」を大切に。平常心。

いつも思い出せるように、手帳にピタッと貼っておく!そしていつも呪文のように唱えています。

いつも思い出せるように、手帳にピタッと貼っておく!そしていつも呪文のように唱えています。

こんなことを気にして日々過ごしてみると、、、いやぁーびっくり!まず日常の選択が変わってくる。例えば「朝起きて、すぐにスマホでメッセージなどを確認する」という習慣が「朝から注意が散漫になるから改めたい」と以前から思っていたものの、なかなか出来なかったのが、これは「本物さや一貫性を感じられないから」という理由に沿うことで、簡単にスルー!常に本物であるという気持ちを叶えるために、ヨガのセルフ・プラクティスもしたいから、自主的にマットに足を運ぶ回数も増えています。やらなくちゃから解放されて、もっと前向きに自らが選び取り、実践できる感じなのです

それから同じやることでも、気分が変わってくる。家の掃除や皿洗いも、「片付けなくちゃならない、家事の一つ」と言う気分で向き合っていたのが「家の中を清潔に保つ、献身的なおつとめの一つをありがたくやらせていただく」という風に変化しました。ほかにもコーチングのセッションにより自信を持って臨める、娘との会話により確かなプレゼンスを意図的にさける、メールを一通返信するのにも心をこめて伝えるなど、同じやることでも、その時に感じたい気分を意図的に選びとって心の軌道修正をするので、時間のクオリティーも変わってくるのを感じています。

怒りっぽくなったり、必ずしもハッピーではないけど楽で怠けそうな選択をしそうになったりする時も、この4つのコア・フィーリングに当てはまるか考えてみてNO!だとすると、そちらのほうに行かなくなる効果も。

例えば、私が自分の言動や経験に「本物さと一貫性」があるな、と感じた時、私はベストバージョンの自分を生きているから、よしよしこれでいいぞと安心するし、納得するし、力がみなぎるし、生きている!という実感があるし、ようは幸せと感じるのです。

感情を大切に扱う生き方をすると、

  • 自分で決断することが、もっと増える。しかも自分の人生をもっと豊かにする決断が、自然とできる。

  • 同じすることでも、自分の大切にしたいことを大切にしている心で、実践することができる。

という効果があるようです。「今この瞬間に自分がどんな気持ちでいたいのか」を主軸にすることで、自分の生き方がより自分らしくなる、自分が近づいてくる効果を感じています。

「感情」を大切に生きることで、手に入ること

今日、セッションしたクライアントさんに「大切にした4つの感情を考えてみて」と言ったら、「愛、つながり、誠実さ、グラウンディングしている感じ」と返ってきました。そのイメージを持つだけで、心の中にあった憤りや不安や怒りから少し距離をおき、もっと近づいていきたい自分本来の姿に帰っていける気がするとも、とおっしゃっていました。

「自分がこういう気持ちでいたい」という心にコネクトして生きることは、自分が自分を生きる上で自由さを感じるし、自分に思いやりを持って、自分を大切に生きられることでもあります。「こんな風に感じたい!」と思ったことが、叶いやすいし、ゆえに幸せに近づいてきます。本当に自分がどう生きたいかということからぶれずに、様々な選択(チョイス)ができます。今を確かなものとして生きられ、「今の解像度」があがり、自分らしい人生をデザインできる力がみなぎってきます

「『あなたがどんな風に感じているか』から人生をナビゲートし始めると、自分自身のセンターに到達します。そこは全てがクリアで、喜びにあふれ、柔軟性に富み、バランス状態がよく、いいアイデアが生まれる場所。あなたの良さ、旨味が凝縮されている場所なのです。」  ダニエル・ラポートのDesire Mapより。

「『あなたがどんな風に感じているか』から人生をナビゲートし始めると、自分自身のセンターに到達します。そこは全てがクリアで、喜びにあふれ、柔軟性に富み、バランス状態がよく、いいアイデアが生まれる場所。あなたの良さ、旨味が凝縮されている場所なのです。」

ダニエル・ラポートのDesire Mapより。

もちろん、これには勇気や信頼も必要だし、新しい選択や決断に慣れていないから、恐怖や不安とか居心地の悪さとか孤独さとかもたくさん感じるでしょう。だけど、今の自分にフォーカスし、常に4つのコア・フィーリングに立ち返ることによって、常に点検作業を行ないながら、一歩一歩、ぶれない選択をしていくトレーニングは案外と、楽しいものです。感情は、「心の中にある人生のGPS」。これを頼りに、人生を(というのが大げさであれば、一日を)デザインしてみると、私がそうであったように、意外にもたくさんの発見があるかもしれません。

 

「どんな気分で、いたい?」と自分に聴いてあげよう

「感情は思考よりも、ずっとパワフルなもの。心臓は、最も電磁気を発している体の部位で、脳波よりも振り幅が60倍も強いのです。また磁気成分は脳のそれよりも100倍強く、身体から数メートル離れたところからも分かるほどの威力を持っています」

「感情は思考よりも、ずっとパワフルなもの。心臓は、最も電磁気を発している体の部位で、脳波よりも振り幅が60倍も強いのです。また磁気成分は脳のそれよりも100倍強く、身体から数メートル離れたところからも分かるほどの威力を持っています」

私たちは無数の選択を毎瞬しながら生きています。何を着るか、何を食べるか、誰と話すか、どんな仕事をするか、何を買うか、いつ寝るか、どこを見るか、何を聴くかなどなどなどなど、、、、そして怒り、後悔、評価、柔軟性、笑い、思いやり、優しさ。この感情をどんな風に感じ、どんな風に関係性を見出すか、これも全部、選択です。マインドにも体にも心にも、トータルにいい影響を及ぼすのが、いい選択と言えますが、特に大事なのは、心の作用。心からの選択ができるように。心が置き去りにならないように選択したいものです。

「どんな気分で、いたい?」「どんな気持ちで、いたい?」と言われても、最初はなかなか出て来にくいかもしれません。私たちはそんな風に聴かれたこと、ケアされたことが今までほとんどないかもしれない。学校や社会やもしかして家庭では、あなたが何を感じてるかなんて、気にもとめてくれないかもしれないし、長年、自分の感情に注意を向けてこなかったり、押し殺してきたりしていると、心の中を見る、表現するという作業は難しい。

でもつぶさに心の中を見ていく癖をつけていくと、心のひだがよーくわかってくるもの。そして自分がどんな感情でいたいかを知ることは、自分を一番クリアに知ることにもつながります。「感情を見ないのは、人間の魂に対する犯罪!」とダニエルは言っています。

「どんな気分で、いたい?」

  1. まずはじっくり向き合って、4つにしぼり、書き出す

  2. そのリストを一瞬一瞬に当てはめてみる

  3. アクション・プランや年間計画、ライフデザインもこれにそってしてみる

(ないしは、毎朝、「今日はどんな気分で過ごしたいか?」を考えるのも良い)
自分自身の幸せをを叶えるために、ぜひやってみましょう!

 

>> コーチングも受け付けております。お気軽にどうぞ!  https://www.imakoko.org/coaching/

 

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