京都クライメート・マーチ

travel - 旅 Feb 12, 2005

climatemarch01.jpg今日はロンドンで行なわれた「京都クライメート・マーチ(Kyoto Climate March)」に行ってきました。気候変動を防止するために世界140カ国が批准した京都議定書(Kyoto Protocol)が来週水曜日(2月16日)に発効されるのをお祝いすると同時に、まだ批准していないオーストラリアやアメリカに対する抗議を行なうためのパレードです。

集まったのは1000人以上と、思った以上の盛り上がり。イギリスはトニー・ブレア首相が政策の重点課題に気候変動の問題を掲げていることからメディアでもよく取り上げられているので、関心が高いようです。”USA、don’t be a climate terriorist!” (アメリカよ、気候のテロリストになるな!)などと書かれたそれぞれ思い思いのクリエイティブなプラカードをかかげ、「京都議定書に今すぐサインしよう!」と声をあげながら、石油会社のエクソン、オーストラリア大使館、アメリカ大使館の順にロンドンの街を練り歩きました。

climatemarch04.jpgアメリカ大使館の前では、国際NGOFriends of the Earthのディレクター、Tony Juniperさん(写真右)などが「政治家がアクションをおこさないのは、犯罪だ。」などとスピーチ。パレード時に使った拡声器の電源は、なんと自転車をこいで作ったエネルギー。そのサウンドシステムのかわいいこと!(写真下)

 

climatemarch02.jpg海外のパレードに参加したのは初めてだったのですが、警備隊との連携もとれていて、きちっとオーガナイズされていました。参加者は、とても真剣なんだけれどもポジティブな姿勢をもっていてパレードを楽しんでいる様子。10人ぐらいの人たちにインタビューしたのですが、「政策や経済活動に、私たちがもっとプレッシャーをかけていなくちゃ」「なるべく消費しないような生活をすること」「できるだけ車に乗るんじゃなくて、自転車を使ったり歩くこと」と模範解答がかえってきました。

 

climatemarch03.jpg地球温暖化によっておこる気候変動に関してはあまりにもスケールが大きい話だけに、なかなか感触がつかめないのが実状だと思います。統計によっては、100年間で3〜5度ほど気温があがるだろうと言われていますが、あたたかくなっていいじゃないかと思う人も多いと思います。ただ歴史的に見ると、地球は数千年から一万年のスパンで寒冷化・温暖化を繰り返していて、今までは気温が上昇するとしても100年で0.1度の計算でした。だから100年で3〜5度というのは深刻な数値なんです。このまま(特に西側諸国が)大量のエネルギーを消費する生活や経済活動を続ければ、100年後、200年後の世界は気候変動が今以上におこりやすくなり、場所によっては大災害がおこったり、海面上昇によって国が沈没したり、害虫が大発生したり(日本では長粒米しか栽培できなくなる、と言われています)と、何千万、何億人の生活に深刻な被害をもたらすことが予測されています。(かなりゾッとするシナリオです。)

climatemarch06.jpg京都議定書は、各国が協力しあって二酸化炭素などの温室ガスの削減につとめようという世界で初めての環境に配慮した国際的な取り決めです。日本の場合、1990年比で2008-2012年までの間に6%の二酸化炭素を減らすように義務づけられています。実情は8%を超えているということですから、かなり本気で取り組まなくてはならない数値です。省エネ技術の開発と推進、国内の企業間での排出量取引、環境税の導入についても力を入れて行かなくてはなりません。政府は、削減目標の内訳を、CO2やメタンなどの温室効果ガスの排出削減が0.5%、森林が吸収するCO2が3.9%、海外からの調達分が1.6%と見込んでいます。

climatemarch05.jpgヨーロッパでは、今年1月1日から排出権取引がスタート。”Contraction and Conversion”という新しい枠組みの可能性も話されています。

さてでは私たちに何ができるか?何をしなくてはならないか?と言うと、まずは、まわりの友達や家族や同僚と話をしてみる。そして電気の無駄遣いをなくす。ソーラーエネルギーなどの再生可能エネルギーや地域生産のエネルギーを導入してみる。(エネルギーが遠くから運ばれてくると、かなりのロスになってしまうので)車になるべくのらない。環境に配慮した活動をしている企業の作っている商品を買うことで応援する。パレードに参加したり、政治家にプレッシャーをかける…などなど。

まだまだ地球温暖化に関しては勉強不足なんですが、消費・エネルギー・生態系・新しいビジネスなど、いろいろなことが絡み合った問題だけに、これからもフォローしていこうと思っています。

京都議定書発効へ/何よりも国内対策の強化を

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