ご先祖様供養と伊勢参り


すっかり秋です。でもこの写真を撮ったのは、まだ8月中旬。名古屋に祖父母を訪ねた時、ふっと秋風が吹いてきて、見上げた空。鰯雲がのびのびと広がって「あぁ秋なんだぁ」とうっとり。夏生まれで夏大好きの私ですが、秋のせつなく黄昏れる感じも最高。なぜかサイズが小さくなってしまったのだけど、あの時の清々しい気持ちを思い出させてくれるので、最近撮った写真の中で、お気に入りの一枚です。


そう、8月お盆過ぎに名古屋に帰りました。「丹羽」っていうのは名古屋の名前で、父が名古屋出身なので小さい時は良くおじぃちゃん、おばぁちゃんの家に遊びに行ったのだけれど、物心ついてから(生活というものを自分で組み立てるようになって、なんだか忙しくなってしまってから)は足が遠のいてしまって、なかなか行けてなかった。でも、もうおじいちゃんは93歳、おばぁちゃんは88歳。二人とも何やかんやいいながらも元気にやってるけど、電話でしゃべったら「もう先は長くないよ〜。順子さん助けにきてー」なんて弱音をはくもんだから、よしこれはどんな用事よりも最優先して行かねばと決心し、テラも連れて行くことにした。


名古屋で教えてもらったこと、その1。お盆の時、ご先祖さまにお供えする食べ物。鎌倉でも向かいのお宅で、「迎え火」と「送り火」という儀式をやっていて、私は今年初めて見たのだけれど、こういう文化が残っているのって素敵だなぁと思ったので、おばぁちゃんに詳しく聞いてみた。来年は名古屋で儀式を一緒に出来るといいな。ご先祖様を大切にする。何よりも大事なことのような気がします。


名古屋で教えてもらったこと、その2。編み物。おばぁちゃんは編み物がとても上手で、これまでもセーターやら膝掛けやら、テラが生まれてからは彼女のスカートやら色々なものを編んでくれた。「細かいものが見にくくなってるから最近はね〜」と言いながらも、手袋の編み方教えて!という私のリクエストに答えて、教えてくれるどころか、自分ではまって4日の滞在期間でさっさと仕上げてしまった。すごいハイカラ&ハッスルおばぁちゃんです。


名古屋で教えてもらったこと、その3。丹羽家のヒストリー。何でも丹羽家は「丹羽長秀」という織田信長に仕えた家臣のお兄さんの丹羽長友の直系だそうで、その当時の階級から言うとトップの武士さんだったわけだから、すごいんだよ、ということらしい。一方、お嫁に来たおばぁちゃんは、士農工商で言うと、玩具屋だったから商人でランクは一番下。でもおばぁちゃんに言わせると、「おじぃちゃんの家系は貧乏侍で、うちは大商人!」ということで、今でも冗談半分でその事で喧嘩しているのが面白い。そしてお墓参りにいったら、うちの家紋は、「亀甲に横木瓜(よこもっこう)」と初めて知った。家紋って、どのお家もみんなあるんですよね。カッコイイです。そしてうちは禅宗だということも知って、あぁ鎌倉から広がった禅宗なんだ、ってなんだか嬉しかった。



名物のひつまぶしも頂いたりして、名古屋滞在を満喫。お手伝いにいったつもりが、すっかり御馳走になってしまった。私が一生懸命作ったご飯も、「いつもの味と違って美味しいね」と言ってくれたし嬉しかったな。



その後は、足を延ばして、初のお伊勢様参りへ!二見で温泉に入ってから、翌日….



伊勢神宮。なんせ日本の一番古い神様を祀っているところということで、心していったのだけれど、割合、素朴でちょっと拍子抜けというのが正直な感想。でも逆に全くきらびやかでなく、石や木や自然のものだけで建造されたお社や、樹齢何千年とも言える木の太さには圧巻。日本の総氏神の天照大神(あまてらすおおみかみ)にしっかりとお参りしてきました。


そして食い気に走る(笑)。赤福入りのかき氷、そして伊勢エビパスタは最高〜。おかげ横町を歩いていると、江戸から明治にかけてにぎわったお伊勢参りの当時の雰囲気にいっぺんにタイムスリップ。ちょっと前までは、精神性というものが生活のもっと中枢にあったんだなぁと感じずにはいられない。


さてさて先週末は、両親と一緒に、磐梯山のふもと、福島県会津若松へ。黄緑色に輝く稲穂の美しいこと!



テラは旅中に熱を出してしまってテンヤワンヤだったのだけど、それでも久しぶりの両親との旅行は格別。木々の匂い、爽やかな空気、「季節の変わり目って好きなんだよね〜」という父との何気ない会話、色づいてきた葉っぱ、三世代でいっぱい歌った童謡。多分、何年先も鮮やかに記憶に蘇ってくるだろう時間だった。

思いのほか、夏から初秋にかけて、日本の色々なところに家族と旅行できて、ずっと達成したかったおじいちゃんとおばぁちゃん訪問も叶って、充実したひとときだった。おじいちゃんとおばぁちゃんは思ったより元気だったし、でももっと頻繁にいって顔を見せて、もっと時間を共有したいなぁと思った。東京/鎌倉のリアリティーにいると随分違う次元のことに思ってしまうけれど、親孝行、祖父母孝行、ご先祖様孝行というものをきちんとするということを、これからももっと普通に当たり前にしていきたい。それが自分自身を大切にすることにもつながるんだなぁ、と思います。

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