実はあまり知られていないことですが、今年2005年から10年間は、「国連持続可能な開発のための教育の10年(United Nations Decade of Educaiton for Sustainable Development) 」ということに指定されていて、平和・環境・開発教育に関して、世界中でいろいろなキャンペーンや取り組みが行なわれることが期待されています。
これは2002年に南アフリカのヨハネスブルグで開催された会議で、なんと日本政府が提案して始められるものです。日本でも「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD-J)が立ち上がり、国内外でのネットワークを築きながら活動を始めようとしています。’Education for Sustainable Development’ (略してESD)とは、「持続可能な社会のための教育」という意味です、詳しくは、ESD-Jのこちらのページをご覧下さい。
ESDはこんな力を育む学びのプロセスです。
ー「わたしたち一人ひとりに、世界をよりよく変えていく力と責任がある」という信念
ーわたしたちが思い描くよりよい社会を実現するための能力
ーみんなが安心して暮らすことのできる未来につながる価値観・行動・ライフスタイル
ー公平性や、経済や生態系の将来を考慮した意思決定の方法
ー未来志向の考え方
端的に言えば、今まで日本が得意とする詰め込み型・暗記型の教育ではなく、自分の生活が世界にどんな影響を及ぼしているかに想像力を働かせられるよう体系的に学んだりして上に書いたような力を養う教育、つまりもっと柔軟で楽しく個性的で視野の広い教育をしていこう、というチャレンジがこの「教育の10年」だと言えます。
さて実際にどんな取り組みが始まっているのか、いくつかご紹介。開発教育協会では、教材体験フェスタ2005を開催して異文化理解、グローバリゼーション、貧困、南北問題、平和、環境、人権、貿易などの参加型学習教材を紹介しています。(風邪で行けなかったー悔しー)こういうのにヒントを得て、学校の先生が総合学習の時間(私たち世代で言うと「道徳」みたいな授業でしょうか)で授業を展開していくと良さそうですよね。
それからESDの10年とは直接関係ないですが、環境教育の大御所といえば、ナチュラル・ステップです。もともとはスウェーデンで始まった環境教育団体で、日本でも数名のスタッフが運営しているようです。(今度遊びに行ってみよう) 科学的データに基づいて独自に開発した4つのシステム条件をもとに環境プログラムを作成し、企業や行政で行なっているのですが、二日間のワークショップに参加した友人は「世界を見る枠組みが180度変わったね。素晴らしかったよ」と大絶賛でした。これは要チェックです。
次の社会を作っていくために一番重要で力を入れなくてはならない、とも言えるのが教育です。私も3年間日本映画学校で教えていた時に、教育の大切さを実感しました。「持続可能な開発のための10年」が始まったわけですし、これから大いにこの動き、盛り上げて行きたいですね。
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