ゴールデンウィークを利用して九州は熊本県の阿蘇、O2ファームに来ています。ここで大学の時の友達の仲良しエリが、旦那さんの耕太くんと一緒に3年前から農業を始めたので、どんな生活をしているか興味しんしん、一度遊びに行きたいなぁと思っていたのです。しかもこの時期は田植えの季節!はじめての田植え体験にドキドキして、羽田から熊本まで飛行機でひとっとび!(と快調のはずが、出る前から風邪をひいてしまい、一週間たってやっと良くなったところです〜。)
エリと耕太くんの生活は、素晴らしい自然が残された阿蘇山のふもとでの「半農半デジ生活」。まず主に4月〜10月ごろまでの「農繁期」は無農薬米や低農薬のきゅうり、そしてあか牛を育てる生活です。毎日何かと農作業がある忙しい生活ですが、それでも太陽が沈んだら作業は終わりですから、都会の生活よりもストレスなく体も動かす健康的な生活。そして11月〜3月ごろまでの「農閑期」はうってかわって、インターネットを活用したリサーチや執筆のお仕事に従事する生活。再生可能エネルギーなどの調査依頼とか、経済産業省の助成金をもらった地域の産業を活性化するプロジェクト、地元の新聞への執筆作業などなど、驚くほど色々な仕事をしています。さらにNPO法人九州バイオマスフォーラムを立ち上げて、地元の夏祭りの電源をバイオディーゼル(廃油を活用したエネルギー)で駆動するといった地域密着の活動もしてるんですよ。何事も気負わず楽しくやる心構えや抜群の行動力とリーダーシップには、本当にリスペクト!二人は村の人たちからもとても可愛がられているようで、家にはいつも人と笑いが絶えません。
二人(真ん中:耕太くん、右:エリ)はドイツの大学院で農村環境計画を学んだあと帰国。勉強したことを実践として活かしたいと、耕太くんのおじいちゃんの住む熊本県・南阿蘇村で家を借り、農業を通してエネルギー問題や食糧問題を考え実践していくライフスタイルを始めたのです。自然と共生して豊かな時間を送りながら自分たちやお客さんが食べる安心でおいしい食糧を育て(二人はなるべく農薬を使わない農業にこだわっています)、さらに地域から循環型農業や再生可能エネルギーの提案と実践をしていく….こういうことが可能になったのはインターネットのおかげでもあり、半年ほど前に村にもブロードバンドがひかれて生活がガラッと変わったとエリも言っていました。「半農半デジ生活」はこれからの時代に相応しく、説得力のある理想的な生活だと、こちらに来て良ーく分かりました。
そりゃぁ、もちろん農業を営むことは気候にも左右される不安定な職業だし、時にはきつい肉体労働だし、お米の消費量は減っているし、村では過疎化が進んでいるし、たまには田舎の閉鎖的な考え方にぶちあたったり… と色々な問題はあります。それに誰でもが二人のように教育を受けていたり(=コンピュータを使った知識ベースの仕事がしやすい)、田舎に親戚がいるとは限りませんから、「半農半デジ生活」をするにはいくつかのハードルをこえなくてはならないと言えます。でも二人の生活にお邪魔させて頂いて、いろいろな障害もなんのその、自分たちらしいやり方で新しい農業生活を営むパワーを感じています。
そうそう、肝心な田植えは「日本の主食のご飯を大切に頂く」ということを実感させられた素晴らしい経験でした。田んぼというのはお米を収穫する、というだけでなく、雨量が多い日本ではダムとして機能したり、実はお米の糖分からはエネルギーが生成できたりと、一石三鳥も四鳥も良いことがあるので大切にしていかなければならない、ということも教えてもらいました。相棒のブログが詳しいので、こちらも是非見て下さいね。というわけで、もうしばらく南阿蘇村でいい経験をいっぱいさせてもらいたいと思いまーす!
50% Complete