できたてホヤホヤのパーマカルチャー・ファームへ

ハワイに住むスティーボが、タイで新しく作っているパーマカルチャー・ファームを訪問してきました。ほぼ2年で全て一人でここまで作ってしまったというのが、すごい!たくさんの刺激をうけてきました。

 このゲートの先に、信じられないようなパーマカルチャーの世界が、、、!

スティーボは、ハワイのマウイ島にファームを作り上げてすでに20数年。56歳のおじさんで、元々はカーペンター(大工さん)。たまたまの縁があってタイにやってきて、「次のファームは、ここだ!」と決めたのが、タイ北部、今わたしたちが滞在しているファームから2時間ぐらい更に山に分け入った農村地帯。タイの中でも一番田舎と言われるワット・チャンというエリアです。「土地の条件は、まず豊かな水。周りが森に囲まれて、農薬などの使用がないこと。それから土壌。それから日当りや風のむき、さらに景色などを考慮すること」20カ所以上を見て回り、10ライ(1ライ=40mx40m、10ライはおよそ2.5ヘクタール)のこの土地を、80万円で購入したそうです。

 ハワイとのファームを行き来しながら、まず最初に手がけたのが、土地の高い位置、森のすぐ近くに池を掘り、ため池をつくること。乾季にも水が得られるように、水を確保することが、土地をデザインする上で真っ先にやらなくてはならない大切なことです。

 次にやったのが、ベジタブル・ガーデン(畑)の配置。森の間の傾斜に600メートル続くテラスを作り、配水を考え、ピーナッツなどの下草を植え、土壌を更に良くする為に、雑草などを切ってマルチングをしたそうです。

  それと平行して、果樹を植えました。すでに柿、アボガド、桃、スターフルーツ、プラム、梨などが植わっています。まだまだ小さな苗木だけれど、これが3年、5年、10年後、そこら中に果実を実らせた木が育っていると思うと、、、!!!(Stevoのハワイのファームはすでに100%自給自足だそうです!)

 お米も作り始めています。すでに4人が一年間食べるお米が収穫できているそうです。今年も順調に稲が育っていました。

 今手がけているのが、メイン・ビルディングのデザインと建設。でかい!ここは大きなキッチン、共同トイレやシャワー、集会場、ボランティアの人たちが寝泊まりできる場所などを兼ね備えた、ここのファームの言わば顔のような場所。建材は、竹やそこら辺に朽ちて落ちている木など、近くでとれたものばかりを使用。自然に負担をかけずに快適な空間を作る配慮です。とった分だけ、竹の苗木もどんどん植えています。

 シャワーの部分だけ、ほんの少しコンクリートを使用するという柔軟さもうなづけました。あと1ヶ月ほどしたら完成!来年はさらに数軒のバンガローを作り、WWOOFの受け付けも始める予定なんだそう。

 建物の横には、屋根に落ちた雨水を集めるタンクを設置。雨期が長いタイでは必要不可欠な工夫です。

  使っている道具類は、ほぼこれだけ!道具も自分で手作りです。写真は竹をさく自作の道具。

どれだけのお金を使っているか聞いてみると、「このプロジェクトにつぎこむ予算は、一年間で$4000(およそ35万円)と決めてるんだ。手伝ってくれる地元のワーカーを二人雇っていて、一日彼らに200baht(およそ600円)払っているけど、あとは全部1人でやってるよ」

 土地代80万円、年間維持費40万円の出費をどう考えるか。一緒に見学に行った仲間の中には「やっぱり白人の贅沢な趣味だね」と敬遠する人もいたけれど、その金額だったら多くの人にとって負担のあまりない、魅力的な投資だと思いました。それさえあれば、10人ほどがずっと食べていけて、自然とともに豊かに暮らして行けると思えば、すごく意義のある投資だと思いませんか?あと必要なのは、体力と仲間と情熱とビジョンですね!

スティーボはここをセッタップした後、老後はヒマラヤに移り住んで、「僕は山奥で死にたいんだ」と言っていました。誰もが無茶だと思う事にコツコツと取り組み、お金や社会的地位には全く関心を示さず、ただ自然に働きかけることだけをし続け、何事にも迷いなく、ここまで人生設計がはっきりしている人も、なかなかいないなぁ~と、関心!

 建物からの眺めも、最高~!

 すでに梨、グアバ、バナナなどの果物の収穫も始まっています。

 ちょっと話はとぶけれど、今日から10月で、今月は国連が定めた世界食糧デー月間。世界人口70億人のうち、10億人近くの人たちが飢えているという信じがたい世界の現状について、どうしたら解決できるかを考える時でもあります。今、タイでやっていること、見聞きしていること、交流を持ち始めている人たちのこと。それらは自分の食糧を育てる喜びと安心感に今つながっているけれど、それだけじゃなくて、その先には、アフリカやアジアの食べ物がない人たちと一緒に作物を育て、みんなが満ち足りた世界があるんだよな、そういう大きなイメージというか青写真を自分の中でしっかり描きながら歩んで行きたいな、全ては平和で持続可能な世界につながっているんだよな、と強く意識するこの頃です。

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