「子供の教育、ブラックボックスにしたくない!」ということで、娘が育つ環境を人任せにせず、主体的に関わることで、よりよい未来を築いていく。そんなことを信条に、自分のやりたいことや仕事を少しスローダウンしてでも、娘の育つペースに合わせて環境づくりに関わってきました。 今年の活動は二つ。一つは、娘がシュタイナーの学校に通い始めたことをきっかけに、同校で、週一回の農業(Agricultura)のクラスを担当したこと。といっても、バイオダイナミック農法に詳しいブラジル人のデバイールがメインの先生で、私はアシスタントの先生です。
どの授業もそうであるように、まずは輪になって手をつなぎ(サークル)、歌を歌うことから始めます。場所は海を眺める、こんなところで!
Tiera mi Cuerpo Agua mi Sangre Aere mi aliento y Fuego mi espíritu
地球は体 水は血 風は息 火は魂
(日本語でもみんなしっかり歌えるようになりました〜)
授業は、コンポスト作り、苗づくり、さまざまな植林(パパイヤ、ココナッツ、カシューナッツなど)などをおこないました。
まだ1、2年生ということもあり、説明は極力さけ、とにかく労働に勤しむ。大地にふれ、大自然の中で汗水流す、みんなで一つのチームになって大変なことも乗り越える、その喜び、その体験こそが大切で、魂に根付き、心を成長させて行くんだ、いう考え方です。(これまで行なってきた授業では、どれだけ多くのことを「情報」として教え込もうとしてきたか、、、反省です)
ルドルフ・シュタイナーは、教育だけでなく、建築や農業にも多大な影響を残した人。シュタイナーの考えが及んでいる農法は「バイオダイナミック農法」といい、「オーガニックのさらに上をいく」とも称されています。簡単にいうと、動物界、鉱物、天体など、すべてのエネルギーを取り込んだ農法とも言え、私たちの学校でも、牛の角に土などを詰めて埋める特殊な堆肥づくりを行なったり、クリスタルのパウダーを畑に噴霧したり、月の満ち欠けを意識しながら種まきをしたりしました。
子供たちには「牛のアンテナがお星様のパワーをキャッチして、大地にパワーを与えてくれるのよ」などと分かりやすく説明してみたり。「そっか!おくすり(農薬)よりも、お星様のほうが力強いんだね!」と、ある子ども。その「そっか!」が大切、その瞬間こそ、子どもたちの中で何かが花開く瞬間なのです。
自分たちの生活に必要なものは、なるべく自分たちで作ります。これは蚊除けのオイルを作った時の写真。近くで摘んできたシトロネラ、クローブ、ココナッツオイルを混ぜて作ります。
もう一つのチャレンジは、地元の放課後クラブの先生をしたこと。ノサラに住んでいる外国人の子どもたちで公立小学校に通っている子たちは、学校では英語やマインドフルネスなどの授業が受けられないので、学校プラスアルファの学びがあるといいということで、小さなオルタナティブ・スクールを作り、学年によって学校に行く前か後、午前8時〜午後1時までの間、学びにきていました。
自分たちで作った祭壇。ここから一日が始まります。
私の教科書。"Mindfulness Teaching"
名前は、「Casa Magica(魔法の家)」と命名し、日替わりで先生も授業内容も変わります。
---------------------------- 月曜日:koko(日本人)ーマインドフルネス(瞑想や呼吸法)、ヨガ、手遊び、クラフト、料理、自然観察
火曜日と木曜日:paige(アメリカ人)ー算数、英語
水曜日:amilkar(コスタリカ人)ー粘土細工、コスタリカの文化 ——————————————
そして教え方も、より身体知や創造性を育む形で行ないました。例えば月曜日の私の会では、ろうそくを灯してお祈りから始め(ここら辺はシュタイナーの影響)、数をとばして数えながら縄跳びをしたり(算数の別の教え方)、授業のデザインをまるまる子どもたちに任せたり(主体性や創造性の育成)、近くの川や森に散歩に出かけて、水や太陽など自然のエレメントを季節ごとに観察したり。
ブレスワークやヨガの授業
手間もかかるし、毎週の授業内容を考えるのは、まだ慣れていない先生の私にとっては一仕事。でもそれでも子供たちに何を伝えていくかを考えることは、実は私がどう成長したいか、どういう風に毎日生きていきたいか、どう人と接したいかを考えることにもつながる作業。子供の教育に携わることは、地域の大人たちも成長していくまたとない大切な機会になるんだな、と実感しています。
今年は娘はシュタイナー学校にどっぷり(しかも、馬で通学!)、そして母はそこから影響を受けて地域学校の先生もした、ということで、親子共々、またいろいろな新しい刺激、学びにあふれた一年でした。8月〜10月まで帰国するので、日本でも同じような意識を持っている親の方たち、教育者の方たちと、また集える場ができたらとても嬉しいです。
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