訪れるまでは、どんな所なのかまるで想像がつかなかったけれど、滞在してみると、とても居心地の良いハンガリーの首都、ブダペストです。まず何といっても、街の至る所に歴史的建造物が残されていてとても美しいし(ユネスコの世界遺産にも登録されていて、世界で最も美しい街の一つに挙げる人も多いとか)、人口200万人という大都市なのに、わりとのんびりしていて過ごしやすい感じがします。街の真ん中を、たっぷりと水をたたえたドナウ川が流れていて、街全体にまとまりを醸し出している感じです。
歴史を少しひもとくと、ハンガリーは西暦896年に、東からやってきたマジャール民族によって建国。その後、数千年にわたって、モンゴル、トルコ、オーストリア、ソ連に占領され、1989年に共産主義から平和裏に体制を転換。2004年にはEUに加盟(通貨はまだ独自のフォリントを使用)して、経済は成長の一途をたどっています。現在、GDPは世界48位。ハンガリー人の友達Kataに聴くと、「現在、際立った社会問題はない」とのこと。人々の生活は貧しくもなく、かと言って物質主義が進みすぎて、公害や心の孤立化などの問題が顕在化しているわけでもない、といったところでしょうか。もっとも郊外には、大型のショッピング・モールが建設され、ローカルの文化が失われているという、どこにでもあるような嘆きも聴こえて来るのですが、色濃い占領の歴史のわりには、独自の文化がしっかりと残っているという印象です。ジプシー文化など少々ひなびた雰囲気に魅了される「東欧フリーク」が、日本に多いのもうなづけます。
ブダペストは、とにかく建築物が一々、素晴らしい!ドナウ川辺にひときわ大きくそびえ立つ国会議事堂、ハンガリーのガウディと称されるレヒネル・エデンの建築物の数々。ゆっくりお散歩しながら、時代の移り変わりに思いを馳せるのは、ヨーロッパを旅する楽しみの一つです。
そして、なんと市内にいくつも温泉があるんですよ!ハンガリー中に1000以上の温泉がわき出している場所があるとか。これは日本人としては嬉しい限り。水着で入るスタイルで、熱いところでも38℃とちょっとぬるめなんですが、ここの温泉も全く悪くありまん。チェスをしているおじさんなんかもいたりして。リラックス文化を満喫するのは、どこでも同じですね。
それから旅の大きな楽しみは、その国ならではの料理。ハンガリー料理は日本人の口に合うとガイドブックで読んでいたので楽しみしていたのだけれど?うーむ、微妙。全体的に肉の煮込み料理が多く、どれもかなり大味だし、ボリュームがあり過ぎて、数日頂いていると、くどくなって来ます。でも食べ盛り(?)の私は、どれも平らげて、周囲のみんなをびっくりさせています…. これからはパンとチーズとフルーツぐらいにしておこう。
何といっても、ヨーロッパの旅のキックオフをこんなにも快適にしてくれているのは、友達のKata(ハンガリー人)と彼女のボーイフレンドLewis(カメルーン人)のおかげ。色々なところに連れて行ってくれたり、Kataのお母さんの家にステイさせてくれたり。ハンガリー人は、ラテン系のように決して明るくワイワイ楽しい人種、というわけではないけれど、旅人には適度に親切にしてくれるし、独特の落ち着きと威厳を備えている感じがして、信頼できる感じ。大好きになりました。KataとLewisは、ここで”Association for Conscious Consumer”というNGOをやっているんですが、その話はまた次回に〜。
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