午後8時ミラノ駅発の寝台列車は、次の日の朝10時にスペイン・バルセロナ駅に到着。およそ12時間乗って、130ユーロ(およそ18000円)。ヨーロッパの旅は、何かとお金がかかります。
バルセロナもとても魅力的だけれども観光は後回しにして、まずはポルトガルへ行きたい!ということで、次にバルセロナ発リスボン行きの飛行機を探したところ、翌日の朝の便しかないらしい。というわけで、今日は一泊バルセロナでするとして、ホテルをとり、快晴の中、街に繰り出しました。
まずは “Temple de la Sagrada Familia”(サグラダ・ファミリア)へ。スペインの建築士の巨匠、Antoni Gaudiの名を世界的に有名にした作品で、1882年に建築が始まり現在もまだ建設中の教会です。一つ一つの塔、柱、壁のデコレーションは、聖書を忠実に再現していたり、100以上の花や動物の装飾が施されていたりと、想像以上のスケールと繊細さに圧倒されてしまいます。塔の中をうずまきのように上って行ける階段は350段ありますが、ところどころにバルセロナの街を一望できる絶景ポイントがあるし、階段をのぼらないと見られない細かな装飾がまぢかで見れるのでおすすめです。
教会の中はどこを見ても「ため息」なんですが、特に印象に残ったのが回廊の中にそびえ立つ柱が、ほんものの木そっくりにデザインしてあること。普通ならまっすぐな柱が途中から枝のように分かれているのが写真でも確認できると思います。Gaudiは”The master is the tree”と、自分のアトリエのすぐそばに生えていたポプラの木をまねして、この柱をデザインし、”The inside of the Temple will be like a wood”と、このテンプルの中を森のようにしたいと考えていたようです。
Gaudiは他にもこんなことを言っています。
“The great book, always open and which we should make an effort to read, is that of Nature; the other books are taken from it, and in them there are the mistakes and interpretations of men.”
“The aim of construction is to free us from the sun and the rain; it imitates the tree, as the latter is a collection of sun and rain.”
“We cannot help but notice the coincidence between a beautiful building and the structure of trees”
“Plants are fractal on the outside…. and animals are fractal on the inside! One only has to think, for an instant, of the magnificent arboreal structure of the circulatory system or the nervous system.”
将来の建築というものは自然から学び、自然を模倣するべきだと。なぜなら、それが一番論理的であり、長期的であり、経済的であると言うのがGaudiの哲学の一つでした。Gaudiは、1920年、74歳の時に電車にはねられて亡くなってしまったのですが、今でもGaudiの描いていた神殿の完成を目指して、建設費が寄付という形でほとんどが個人から集められているということです。さすが芸術の街、バルセロナ!ポルトガルから帰って来たら、Gaudiの他の作品も含めて、この街を堪能したいと思います。
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